駒形神社（こまがたじんじゃ）は、岩手県にある神社。奥州市水沢区中上野町の本社、胆沢郡金ケ崎町西根の駒ヶ岳山頂の奥宮、胆沢郡金ケ崎町西根雛子沢の里宮からなる。式内社、旧社格は国幣小社で、現在は神社本庁の別表神社。
古くは駒ヶ岳の神霊を祀ったとされる。今では天照大御神、天常立尊、国狭立尊、吾勝尊、置瀬尊、彦火尊の６柱、駒形大神と総称される祭神を祀っている。これら６柱の存在は1797年（寛政9年）の雛子沢里宮の棟札や、仙台藩編纂の安永風土記に記載があり、その頃から既に今の祭神を祀っていた。ただ、これら６柱の他にも宇賀御魂大神、天照大神、天忍穂耳尊、毛野氏の祖神の名前も挙がり、他の神を祀っているという説もある。
昔は辺り一帯軍馬の産地だったことから駒形神は馬の守護神とも言われ、馬頭観音や大日如来と習合し、東日本各地に勧請され、信仰されている。また、江戸時代のころは仙台藩、盛岡藩の藩内に里宮が1社ずつあり、本宮は20年ごとに両藩によってかわるがわる建て替えがなされてきた。しかし本宮も里宮も参拝が不便とされ、1871年（明治4年）、国幣小社に列した際に社殿の場所が改修され、現在の場所となった。
当社の境内と隣接している水沢公園は桜の名所でも名高く、その一帯は岩手県指定天然記念物に指定されている。産業開発に交通安全、家内安全に必勝祈願、方位除けなどのご利益があり、今も人々の崇敬を集めている。