穴守稲荷神社（あなもりいなりじんじゃ）は、東京都大田区にある稲荷神社である。祭神は豊受姫命。
1804年（文化元年）の新田開墾の際、海が荒れて沿岸の堤防が決壊し甚大な被害を受けたことから、堤防の上に祠を勧請し稲荷大神を祀ったのに始まるという。穴守という名は「堤防に開いた穴の害から人々を守る」ことに由来する。元々は新田開拓を行った鈴木家の土地にある、小さな祠であった。
江戸時代には、「穴守」という名前が「『穴』を『（性病から）守る』」に通じると考えられて、遊女達の信仰を集めたという。
第二次世界大戦終戦直後の1945年（昭和20年）9月21日、羽田空港を軍事基地として拡張するため米軍（GHQ）より、範囲内の住民ともども強制退去を迫られ、現在地に移転。移転前の社殿や他の鳥居はGHQによって取り壊されたが、門前の赤鳥居だけは撤去できず、そのまま空港の更地に残された。羽田空港の新B滑走路整備のため、1999年（平成11年）2月に弁天橋のたもとの現在地に移設された。
拝殿向かって右手（東側）に必勝稲荷、開運稲荷、出世稲荷、繁栄稲荷が鎮座する。奥には奥之宮があり穴守の砂を頂ける。奥之宮の社殿右脇に築山稲荷が鎮座し、反対左側にも小祠が見られる。本殿と奥之宮の脇からは福徳稲荷社と築山の登拝口がある。登山道に幸稲荷、末廣稲荷などの小祠、山頂に御獄神社が祀られている。
「羽田七福いなりめぐり」第七番。