大麻比古神社（おおあさひこじんじゃ）は、徳島県鳴門市大麻町板東にある神社。式内社（名神大社）、阿波国一宮。旧社格は国幣中社で、現在は神社本庁の別表神社。
通称として「大麻さん」とも呼ばれ、阿波国・淡路国両国の総鎮守として、現在は徳島県の総鎮守として信仰を集める。境内は大麻山県立自然公園に指定されている。
創建は不詳ながら、延喜式神名帳には平安初期、既に記載があり、その頃から人々の崇敬を集めてきたらしい。徳島県内一の大社ともされ、初詣には毎年三十万人近くの参拝客で賑わう。
当社の主祭神は大麻比古大神。阿波国を開拓した忌部氏の先祖となる神様である。またもう一柱の配祀神には天孫降臨で案内役を務めたことで有名な猿田彦大神が祀られている。この二柱の神様は大麻はんと呼ばれ、厄除けや交通安全の加護を授けてくれる神様として信仰を今も集めている。
境内は大麻山県立自然公園に指定されており、板東谷川に架かるドイツ橋と呼ばれる石造りのアーチ橋は徳島県文化財史跡に指定されている。大麻比古神社のクスノキは樹齢千年を超えるとされ、鳴門市指定天然記念物に指定されている。
そばにある大麻山は弥山さんという通称で崇拝されており、修行や登山、トレーニングなどを目的として登る前に参拝に立ち寄る人も多い。