源覚寺（げんかくじ）は、東京都文京区小石川にある浄土宗の寺院。『こんにゃくえんま』（こんにゃくゑんま）で知られる。山号は常光山。
『こんにゃくえんま像』は、鎌倉時代の作といわれ、文京区指定有形文化財。宝暦年間（1751年-1764年）に一人の老婆が眼病を患いこの閻魔大王像に日々祈願していたところ、老婆の夢の中に閻魔大王が現れ、「満願成就の暁には私の片方の眼をあなたにあげて、治してあげよう」と告げたという。その後、老婆の眼はたちまちに治り、以来この老婆は感謝のしるしとして自身の好物である「こんにゃく」を断って、ずっと閻魔大王に備え続けたといわれている言い伝えがある。現在でも眼病治癒などのご利益を求め、当閻魔像にこんにゃくを供える人が多い。
境内にある塩地蔵は、源覚寺創建の1624年（寛永元）以前から当地にあったという。昔、歯病で悩む人が塩を供えて祈願し、完治したお礼に塩を倍にしてお礼参りをしたと伝えられている。
また境内の汎太平洋の鐘は昭和12年（1937年）に当時日本領だったサイパンの南洋寺に搬出され、サイパンの人々に時を告げる鐘として使われていた。その後戦禍により行方不明になっていたが、戦後の1965年に米国・テキサス州で発見され、1974年になって当寺院に返還された。その返還の模様はマスコミにも取り上げられ話題となった。現在では除夜の鐘として大晦日に突かれている。また、第二次世界大戦でサイパンなど南洋群島で犠牲になった人たちを追悼する南洋群島物故者慰霊像がある。
山門を入ってすぐ左に御百度石がある。
小石川七福神の毘沙門天。