気多神社（けたじんじゃ）は、富山県高岡市にある神社。式内社（名神大社または小社）、越中国一宮。旧社格は県社。
所在地の高岡市伏木は、かつて国府や国分寺が存在した越中国の中心地で、当神社境内にも越中国総社跡の伝承地がある。越中国内で一宮を称する4社のうちで唯一、所在地名に「一宮」と言う銘号が入っている。
社伝によれば、創建は養老元年としているが、諸説あるため詳細は不詳。延長5年に『延喜式神名帳』へ記載され、式内社となった。『延喜式神名帳』によれば、延暦3年3月3日正三位の神階に叙せられ、延喜8年8月16日官幣に預かったとされている。当社は「宮内省図書寮本」や『延喜式』最古の写本である「九条本」で名神大社と記載されている。
寿永年間の末期、源義仲（木曾義仲）の兵火によって伽藍や社殿が焼失したとの伝承が残されている。その後、伽藍や社殿を再建したが、天文年間に上杉謙信の兵火で再び焼失。戦国時代の末期、社領20石を有していたとされ、加賀藩祖前田利家が折々にご祈祷を行わせていたとされる。しかし、慶長10年検地奉行の富田越前により社領全てが召し上げられて荒廃し、堂塔大破するが、正保2年により社殿が修復された。以後も越中国一宮として前田家の庇護を受けた。
明治6年8月旧社格制度により県社に列格され、明治40年（1907年）3月には供進社に指定された。昭和6年室町時代の特質を残しているとして、本殿が国の重要文化財に指定されている。